我が家にTLが来た理由

TL125 バイアルスです。

 

 平成5年頃だったか、大学の先輩にトライアルバイクを物色していることを話すと、ご自身が乗っていたTL125をタダであげるとのこと。後日、軽トラでその先輩のいとこか誰か忘れたがちょっと田舎の方に引き取りに行った際に見たバイクは、フロントフォークは錆び錆び、エンジン不動の朽ち果てたTL125でした。バイアルスなんて名前、その時は知りませんでした。イーハトーブは何となく見た覚えがありました。しかし、俄然やる気の出た私は、そのバイクを引き取り実家のガレージで全バラで修理することを決意したのでした。

 

 私がまだ19歳の夏(S62)、初めての北海道ツーリングで、札幌駅で駅寝しようとしていたが、札幌で勤めていたその先輩に電話したら自宅に呼んで飯でも一緒に食べようとのこと。その時に私を先導して走ってくれたのがこのTL125です。先輩は、ウィンカーがつかないから、と言って手信号で誘導してくれました(笑)。懐かしい懐かしい思い出のあるバイクなんです。それから大学を卒業し、OBとして再会したときの出来事が上の話です。私は、オンボロTL125が欲しかったのではなくて、S62年の夏に見た、あの時の思い出をずっと忘れたくない、っていうセンチメンタルな気持ちを持ち続けたかったのかも、と今つじつまを合わせるように書いてしまいました。実際は、それほどロマンチックではなかったように思いますが・・・。

これがTL125バイアルス。この写真はインターネットで奇麗な写真が載っているサイトを探して貼り付けたものです。私のバイクではありません。

 

私が貰ったバイアルスの色は赤一色というペイントがされていましたが、剥離すると写真左側の青色の痕跡が残っていました。

これは平成6年頃。まだ私が20代前半で、実家住まいの独身の頃です。実家には大きなガレージがあってレストアにはうってつけの場所でした。この姿、若いですね~!

ちなみにフレームも丸裸にして全塗装。スポークは前後とも新品に張り替えています。フロントフォークやホイールハブなど、金属部品はすべてペーパー&ピカール&クリア塗装をして、ピカピカです。早く走らせていれば、新車みたい!なんて言われただろうにな~。

エンジンをオーバーホールしているところです。くランキングはしていたので別にバラらさなくても良かったのですが、全体の錆びや汚れを綺麗にしたくてばらし、会社の工場で内緒でサンドブラストしてもらいました。もう、綺麗になりましたよそりゃ。それはいいのだが、バラしたことがあと後、大変な事態を引き起こしたのです。

 

簡単なエンジンでしたが、何分初めてなもので、いろいろとてこずり、結局3回バラシと組み立てを行うことになったわけですから。

エンジンとの格闘

一回目・・・キックを踏むと、ガリっという異音。あれ何これ~!何回やっても同じ。え~、もう一回分解か~。とほほ。ず~っと後から思ったのは、多分キックペダルを仮付けだったから、キックペダル自体がセレーションとしっかりかみ合っていなかったためからか。でもその時は全く分からなかった。かなりの初心者でした。あ~情けない。このときしっかりペダルをつけていたら、新車に見まがうバイアルスでトライアルごっこしていたはず。(トライアル本も実は買っていた)

 

二回目・・・分解したが原因がわからない。しっかり組立よう!(何の対策にもなっていない~)ということで、しっかり組み立てたはずなんだが、完成したら部品が一つ余っていた。なんかサークリップみたいなやつ。これ何やろ~。今は、何か厳密には忘れてしまったが、確かクラッチ回りの部品だったかと。だから、シリンダーとか分解しなくても良かったのよ!これも後から反省したこと。分解する順番が違うやろ~、と叫びたくなりますね。今から思えば。

 

三回目・・・よしよし。出来た、できた。さあ、エンジン掛けるぞ!よしよし!調子よく回った!と思ったところ、ストンと止まってしまいました。試走するも、加速しない。しかもシリンダーヘッドあたりから白煙が濛々と出ていました。ガスケットが吹き抜けたのかな?3回も使いまわしていたから。でも、後から考えると、加速しないのはジェットニードルのクリップ位置セットミス、白煙は単なるエキパイ装着不良かエキパイ耐熱塗料の揮発分かも、と思う。さらには、クランクケースの下側合わせ面からオイルが滲んできていた。こりゃいかんな~。

 

それで、4回目の解体を行う予定にしたまま、車庫の片隅で眠りについてしまいました。3回分解すると、いい加減飽きてきますな。そうこうしているうちに、このバイクに対する興味が失われてきたんです。かなりお金と時間をかけたのに。私の悪い癖やね。もうちょっとなのにあきらめちゃって。それで、いつかその気になれば復活させようかな、と思いつつ、月日の経つのは早いもので、それから平成19年までなんと13年の時間を要したんです。私がその気になるまで。そうなるまでどんな感じで保管されていたかといいますと・・・

実家の車庫で10数年保管
実家の車庫で10数年保管

クランクケース下部からエンジンオイルが滴っていた。

途中で修理するモチベーションを失ってしまい、こんな姿で10数年を過ごさせてしまってすいません、先輩。

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