良く似た車両を発見

グーグルでKH90を検索してみても、ショップサイトばかりがヒットし、一般のサイトはあまり見かけない。というくらいレアな趣味バイクということか。その中で、一番に目がとまったのは、ROLL、っていう東京渋谷の皮衣類店のブログ。

この写真、あれ?僕が落札したものと同一バイクではないのか?タンクにオリジナルのラインが入っていないし、ウィンカーも小ぶりの社外品がついている。シートにもモールが付いていない。う~ん・・・。

 

ブログでは・・・

 

前後ディスクブレーキの高級車
武内社長のNEWマシン
街乗り最高との事、もはやコレクター!?

 

とある。武内社長?、一体誰なんでしょうか。僕が買った相手の人は違う名前ですが・・・

 



またもや同じ車両を発見。

世田谷区の理容店"barbershop KING"のブログだ。ブログでは、”Dry Bones武内さんのバイク。近所の足には最高だそうです。”と記載されている。Dry Bones??? 何でしょうか?でも武内さんってのは、前のブログと同じですね~。 一体、どこで何をしている方なんでしょうか?

 

 

さらにブログは続く。

”たまにマッハ乗ってきてください”

ということは、武内さんは、この散髪屋さんのお客さんってこと?

 

なぞは深まるばかり。そしてグーグルで調べていくと、殆ど同じスタイルのKH90がもう一台見つかった。それが次の写真。

 

 

 

またまた同じ車両を別サイトで発見!

瓜二つです。

ひょっとして、KH90には前期後期とかあって、カタログ写真以外のバージョンがあったのか?って思うくらい、上の写真と良く似ている。というか、同一バイクとしか思えない。

 

このサイト、古着屋さんのブログのようだ。そしてこんな風に書かれている。

(以下抜粋)

この日に売るつもりでいたウチの末娘、KH 90“レッドドラゴン号”も綺麗に磨いた。オーバーサイズピストンが見つからなかったので100ccにボアアップ。腰下は当時物に近づけて黒の焼き付け塗装を施した。フロントブレーキキャリパーはエストレアの新品を移植。オイルポンプに別体でコックを付けた。シートは「染めQ」で綺麗に塗装。タイヤも前後とも新品を履かせた。そしてマッハ仲間に探してもらって、やっと当時物のパーツリストも手に入れた。そしてやっとこの日までに売り物っぽくなった。ジャジャーン!ここでの正式なお披露目はおそらく初めてなので、「ウチの末娘」を紹介。
1977年生まれのKAWASAKI KH 90。
当時初の前後油圧式ディスクブレーキ、ロータリーバルブ式2サイクル、前進5段リターンギア、70’Sの川崎重工が一連の流れで作った2スト小排気量バイク。上記のセールストーク以外でもオイラが気に入っているところとして...
なんと、タンクの塗装がキャンディレッド!エンブレムが大文字のKAWASAKI!そして何といっても2サイクル、かなり速くて、しかも90ccだからアクセルを全開にできるところが楽しいっ!(マッハのナナハンで全開にすると...確実にあの世行きなので...)

2010年09月24日
(以上)

 

へえ~。このバイクは冒頭のやつと同一なのか。別物なのか。

謎は深まる。つづけてみていくとこんな写真が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おお~、このブレーキマスター、僕が落札したやつと同じじゃあないの。レバー調整付きだったから、KH90の純正ではないと思っていたが、やはり最近のバイクだったか。 ということは、まさに僕が落札したバイク?武内さんのバイクだったということ???武内さんて、どこにもでてこないが。

 

 

 

これは僕が落札した車両のブレーキマスターです。上の写真と同一ではないでしょうか。

 

 

 

この方、kawasakiの2ストシリーズがお好きのようで、KHを3台お持ちだ。その真ん中にKH90が。あれ?マフラーが違うんですけど・・・

ブログにはこうかかれている。

 

中央に写っている末娘はKAWASAKI KH 90、通称“レッド ドラゴン号”。4月下旬、バイク仲間と「三崎にマグロ丼を食いにいこう」ツーリングで走行中、「パスッ」という音とともに路上でロック、全く動かなくなってしまい...バラしてみた結果、ピストンが割れてしまっており、即緊急オペ(全バラ)。ボーリングして、オーバーサイズピストンを探して...エトセトラエトセトラ。

 

えーーーつ!そんな過去があるんかいな? これが俺のバイクになったということ???

ブログの日付をみると、 2010年06月05日、とある。とうことは売りに出す約3ヶ月前ってことか。マフラー交換してから売ったということか?

 

それにしても、”エトセトラエトセトラ”っていうのがすごく気になりますね~。直接お聞きしたいくらいです。

 

 

更に、溯ること半年。 2010年01月31日のブログには・・・

 

やっと末娘(KAWASAKI KH 90)のタイヤ交換をした、酒丸です。
リアブレーキを踏む度に横滑りして、何度か「ひ〜っ!」っとなってしまい...。

 

とあり、確かに僕が買ったKH90のタイヤがほぼ新品であることと完全に符号している。また、写真の雑誌に、”ウチの三姉妹(750SS、KH250、KH90)が取材されております。”とある。へえ~、雑誌に掲載されたんや~。

 

 

で、この一連のブログの主は、酒丸さんて方?一体誰?武内さんじゃあないの?と思い、よくよくサイトを見てみると・・・

Dry Bones って書いてあるじゃないですか!

一番最初の散髪屋さんが言ってた、そのDry Bonesが!

でも武内さんなんてどこにもでないですよ。酒丸さんがオーナですから・・・ なら更に検索を・・・。

 

すると、この酒丸さんて方がどうもお酒が大好きな武内さんご本人であるかのような記載を発見! 多分、そうでしょう! これで完全に符合しました。

 

~私の推理~ 

古着屋さんの社長さんの武内さんが所有していたKH90。走行中にピストン割れてOH。時々、散髪屋さんに乗り付けていたが、2010年の10月に遂に売りに出したと。僕が購入したKH90のナンバーは、その散髪屋の前のナンバーとは違うので、この武内さんてかたは、少なくとも僕の前の前以前のオーナーってこと。

 

それにしても、パーツリストとか、黒いマフラー持ってるんだったら譲って欲しいなあとか、もっといろいろいきさつを教えて欲しいなあとおもって、コンタクトを取ろうとしたが、サイトのどこにもメール送信先が無い。いろいろ探したが見つからず、結局、散髪屋さんのブログでも分からず、ROLLっていうお店のホームページからようやくメールで問い合わせをすることができた。

 

さて、どこのどいつか分からない私から、「似ているバイクを買いました。元のオーナーとコンタクトが取りたいのですが。」っていう主旨のメール(一応、丁寧に書いたつもり)が届いた、そのお店はどう対応してくれるか楽しみです。

 

 

 

 

 

返事が来ましたよ!

いやはや、こんなに早くお返事が来るとは

その武内様からメールが届きました。

内容を要約するとこんな感じ。

おそらく同一車両。

2009年11月に知り合いから譲り受け、知り合いが所有していて、もう数年も不動のままにしているという話になり引き取った。手元に来た時は「キックがやっと下ろせる」という程度の不動車。

手を入れたところは、フロントブレーキ全取り替え(エストレアのブレーキマスターを移植)、リアブレーキは分解後、ピストンシールやホース類を交換、前後のスプロケット、チェーンを交換、灯火類を全て交換、ポイントも交換、バッテリー、プラグの交換、エンジンを下ろしてのオーバーホール、キャブレターの分解オーバーホール、前後のタイヤを新品に交換、クラッチフリクションディスクの交換、クランクシャフト分解、コンロッドセット交換、シリンダーボーリング、ピストン交換、クランクシールやオイルシール、オーリング類の交換等々。入手したときは、クランクケースの中まで錆だらけだった。

エンジンオーバーホールの経緯は、一通りの整備を終え、様子見も兼ねてショートツーリングに出ようと近所に出発したところ、80kmあたりで動かなくなってしまい、結局持ち帰ってエンジンをばらしてみた結果、ピストンそのものが割れてしまっていた、ため。そこでシリンダーをボーリングしてオーバーサイズピストン(タイランドKAWASAKIで生産されていたKH100)を使った。が、今度は「丈」が合わず。クランクケースの下部分をちょっと削って(ホントに数ミリ)サイズを合わせた。それが判りにくくなるように、サンドブラスト後に黒で焼き付け塗装した。また、エアクリーナーボックス内にはフィルターではなく「スポンジ」が突っ込まれているだけで、おそらくここから異物を吸い込んでしまい、クランクケース内に入ってしまったと思われる。

 

2010年の12月にバイクを手放した相手は業者。最終的に手放した理由は、フロントフォークのゆがみの発見(走っているとどうも右に右にブレる感覚がある)と、オイルポンプが壊れてオイル量の調整が出来なくなってしまい、絶えずプラグがびちょびちょになってしまったから。

フロントタイヤ回りも何度もチェックしたのに判らなかった。なので「インナーチューブが曲がっているのでは?」という仮の結論を出してみたが、今になって考えてみると、もしかしたら「ホイールにゆがみ」があるのかもしれない。オイル量について、騙し騙し乗っていたが、調整が上手く行かずにオイルラインに別コックを付けたが、そのコックまでの供給にムラが出てきてしまい、心が折れてしまった。

 

とのことだ。それにしても、相当の手の入りようであるし、その人件費、物件費などなどトータルすると相当の経費がかかっていそうな話だ。こんな話を聞けるって、凄いことだと思う。少なくとも、前オーナーの前以前に業者が居て、その前のオーナーだ。そのような方からこのように直接情報をいただけるというのは奇跡に近い。本当に有り難いし、もっと聞きたい、遡っていきたい、という衝動を抑えられなくなり、武内様のご好意に甘えて更にいくつか質問をした次第だ。このKH90を一つの軸とした人間模様を小説チックに書いてみたいとすら思った。 でも、聞くところによれば、武内様の前オーナー様にはいろんなことがあって、それ以前のエピソードを聞くことは難しいらしい。だから、そこは諦めるとしても、武内様の克明な記録には正に脱帽である。

 

泣く泣く手放されたということだが、その心境は、「末娘が嫁に行った」かのような気持ちとのこと。また、他にも聞きたい事があったら答えられる範囲でならお答えしますので、なんでも言って下さい、という有り難いお言葉も頂き、その方のお人柄が分かるようで、心温まる感じです。オートバイを通じて、こんなつながりが持てるって、幸せです!ぜひお会いして、お話してみたいですし、お店でお買い物しようとおもった。
 
お店のHP↓

Dry-BonesのHPにていくつかの武内様の記載を発見。

 

2010年06月15日のブログ

 

~慣らし運転中のKH 90、レッドドラゴン号。エキパイの錆が激しいので、研磨した~

 

と。エキパイ。確かに写真では輝いているが、地金を研磨したわけだから、再度錆び始めるのは時間の問題。さて、僕が対面するときにはどんな感じなんだろうか。ワクワクする!

 

 

2010年06月17日のブログ

このクソ暑い中、朝の出勤でレッドドラゴン号に乗ろうと思ったらエンジンがかからず...。自宅の前の道を何往復か押し掛けして、朝から汗だくになってしまった。どうやらオーバーフローの模様。
KH 90はロータリーバルブなので、キャブが面倒くさい。

 

2010年06月19日のブログ

先日のKH 90、やはりオーバーフローでした...。原因はやはりガソリンコック。オフにしていても一晩で50ccほど漏ってました...。
純正パーツが見つかったので、とりあえずは一安心。

 

 

とのこと。オーバーフロー、って旧車にはつきものみたい・・・。でも純正パーツがまだ入るってことは、少し安心材料ですね~。

 

 

今回、元オーナーの武内様と何回かメールをやり取りしているが、とても丁寧で親切に質問にお答えくださる方で、このKH90、本当に大事にされていたんだなあと思った。僕としては、ずっとこのバイクが欲しかったというようりは、2スト原ツーが欲しい!と最近のモトメンテナンス誌の影響をまともに受けて、瞬間風速的に欲求をとめられずに、たまたま出品されていたKH90を、またもや”酔った勢いで”しかも、帰宅中の”電車の中から”携帯でポチッとしてしまった類である。しかも、僕が入札する前に既に入札1が立っていたため、どちらかといえば、”酔った勢い”の冷やかし半分であった。つまり、多分その方が応札してくるだろうから、ま、自分のものにはならんやろうな、という思惑だった。しかし、翌日酔いが醒めてからサイトを見てびっくり。その入札者が辞退していたのだ。あ、どうしよう。どこに置こう。かみさんにまだ言ってないし。娘からは「諦めや~」って諭されていたし・・・

 

 その後売主様とコンタクトを取り、できれば自走で引き取りたいので先にナンバーをとっておきたいと申し出ると、快く書類のみ先に送付してくれた。この書類をパソコンの前に置きっぱなしにしていたので(他意なく)、その後それを見たかみさんからふいに、「なんかバイクの譲渡証明みたいなもの着てたで」と言われるに至った。内心「ああ、もう隠せないな」と意を決して、「バイク買っちゃいました」と恐る恐る言ったところ、「どこ置くの?」と。

 う~ん、僕もそう思っていたところ(汗)。でも△△の場所があるじゃない!と思っていたら、それを察したかのように、「○○のところには置かんといてや、△△のところはご近所の邪魔になるで」

 ああ、玉砕。でもバイクはとりあえず引き取らないといけない。まあ、どこか置けるやろうと妙な楽観的な考えの下、「なんとかする」と精神論だけで答えたのであった。

 

 その後、このKH90のことを調べていくと、いろいろ俄然興味が湧いてきて、調べてみて、その武内様という方とお知り合い(まだメールだけですが)になるに至った。何という縁なんでしょうか。

 

武内様のお店の紹介をさせていただきます。

 

ドライボーンズ大阪店

http://www.dry-bones.com/shop/osaka/index_osaka.html
 一度、行ってみようかと。楽しみです。店員さんに、”武内社長って、すごく丁寧にバイクのことを教えてくださる”なんてPRしておきましょうかね。武内様曰く、「店頭に行くと、”実にマニアックなマッハを始めとした旧車を題材にした洋服”がけっこう並んでおります!」とのこと。これはかなり興味アリ!だ。

 

 

 

LIGHTNING 2010年3月号

BOOK-OFFに行くも、見つからず、アマゾンにアクセスしたらありました!中古本が。早速、入手。僕のKH90が掲載されているページ、見つけました。これです。ついでに武内様の写真まで。すごいですね~、2スト3台!!

 

写真を良く見ると、あれ?フロントタイヤが現在と違う。このときから走行距離が伸びているわけでもないのに。

そういえば、後輪と比べて前輪のリム・スポークの錆が圧倒的に少ないというか錆びていないので不思議に思っていた。また、武内様が走行中右へ振られるというようなことをおっしゃっていたが、その対処法として他車の前輪とどこかのタイミングで取り替えられたのではないだろうか。

いずれにせよ、右へ振られるという現象は解消しているので良いけど。

何か、自分のバイクが雑誌に載せてもらったような気がする。

 

 

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コメント: 4
  • #1

    takanokeigo (月曜日, 26 8月 2013 17:47)

    KH125A所有者です。情報が乏しいので、さらに乏しいと思われるKH90検索していたら、見つけました。興味深いというか、今回のルーツを探るみたいな?そしたら懐かしい感じでして、デイトナ誌は旧車の扱い記事があるのでたまに買うのですが酒丸さん有名人だったような、記事では青のKH250でレース(買い物レース)で完走できずでした。がんばってください。

  • #2

    takanokeigo (月曜日, 26 8月 2013 21:21)

    家で改めて確認したら・・・
    記憶が曖昧でした
    デイトナではなくライトニング誌2004年2月号
    名誉の為に訂正します。坂丸氏はキャノンボールの企画で1位でした(汗)
    KH90いい車両に巡り合いましたね。

  • #3

    まつ (火曜日, 27 8月 2013)

    takanokeigoさん
    コメントありがとうございます。
    KH125に乗っておられるとのこと。ようこそお越しくださいました(^^)酒丸さんからは、パーツリストを頂いたり大変お世話になりました。KH全般にお詳しいみたいですね。ライトニング誌に毎回コラムも一ページ出しておられますよ。
    KH125A、ぜひ画像で見せて下さい!

  • #4

    kamiya (月曜日, 23 11月 2015 23:58)

    初めまして KH90のオーナーです。30数年ぶりに乗ろうと思い、現在、整備中です。来春に向けてコツコツやってます。KH90のホームページ大変参考になります。